西大阪線あこがれぷらっとホーム楽会 街と街、人と人、関西の未来にもつながる西大阪線
 
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この人に聞く あこがれぷらっとホーム楽会インタビュー
研究会では、様々な方面でご活躍の方々をゲストに招いて、沿線のまちづくりの夢を語りあっています。
ここでは、そんな研究会活動の一部をご紹介したいと思います。
vol.2
スポーツがつなぐ地域の絆
◇オリックス野球クラブの沿革
吉田英樹さん(オリックス野球クラブ(株)) 辻 純治さん(オリックス野球クラブ(株))
【吉田】
 私は生まれも育ちも大阪ですが、畑違いの職場からオリックス・バファローズの事業本部長を任されて、球団経営のあり方を一から学びながら試行錯誤を重ねているところです。
 ところでオリックス・グループといえば、1964年に日本のリース会社の先駆けとして創業した会社であるオリエント・リース(株)が礎となって、現在では金融・不動産・人材派遣業等々幅広い事業を担っているものです。
 その後グループでは、1988年10月に「オリックス野球クラブ(株)」を設立し、「阪急ブレーブス」の譲渡を受け、宮内義彦が球団オーナーとなって「オリックス・ブルーウェーブ」の経営に着手しました。
 さらに2004年12月には、「大阪近鉄バファローズ」と「オリックス・ブルーウェーブ」が経営統合し、新たに「オリックス・バファローズ」の運営に携わっているものです。
 大阪と神戸で親しまれ愛されてきた両チームの誇り高き伝統を受け継いで、皆さまに愛されるチーム、そして関西を代表する魅力あるチームをめざしています。
 「オリックス・ブルーウェーブ」時代は、神戸ユニバーシアード大会の専用球場を拠点とし、震災後の練習もままならない状況のなか、仰木監督のもと『がんばろう神戸』をキャッチフレーズに1995年にはリーグ優勝を、翌年には日本一となり、地元神戸の皆さんを元気づけることができました。ちなみに1994年には甲子園に匹敵する年間入場者数を記録しました。
 このように90年代はイチローほか選手の活躍もあり、黄金期を確立したわけですが、その後の補給不足等を指摘されながら、2000年以降はBクラスを低迷している状況です。
 経営統合により、「オリックス・バファローズ」となった頃は、様々な関係者の理解協力があり、2007年度までの3年間のみ暫定措置として、従来からのオリックスの本拠地である兵庫県と、近鉄の本拠地だった大阪のダブルフランチャイズの形が取り入れられたものです。今後は専用球場を京セラドームとしつつ、従来のファンも含めて幅広いファンに愛される球団運営に努めていきたいと思っております。
 球団は「バッファローズ」のB、「ブルーウェーブ」のB、「ブレーブス」のBと3つのBを受け継いだ経営理念を持っているわけですが、それぞれの球団のファンにすると、中途半端な印象があるのかもしれません。球団が強くなって、多くの人に球場に足を運んでもらい、観戦によってストレスを発散して、明日の鋭気を養ってもらい、結果的にまちにも元気を与えるような存在になりたいと願っています。
(c)オリックス野球クラブ(株)
打撃練習風景
【辻】
 私は生まれも育ちも甲子園の近くということもあり、同じ神戸に拠点をもつ球団として「阪神タイガース」を意識し、これまではあえて異なる宣伝戦略を打ち出そうとしてきました。
 当初はお洒落でスマートなPR路線でしたが、近年上層部から「コテコテのことをするように!」との指示があり、ボールモンキーを起用したり、年間ボックスシートを販売するため自転車キャラバン隊で商店街を練り歩くなどのPR事業を展開してきました。
 90年代には仰木監督、イチロー、パンチ佐藤選手などが大活躍し、『がんばろう神戸』キャンペーンの効果もあって初優勝を果たすことができましたが、その後低迷期に突入し、同じ低迷しても「阪神タイガース」の人気は根強く、強固な基盤があるのだということを痛感しました。
 やはり地元やファンに支えられてこそ球団の存在意義はあるもので、マスコットのネッピーと子ども達が遊ぶ機会や少年野球教室、球場見学や体験の要素を取り入れたり、ゴミ拾いや地域のイベントに参加協力する活動を展開しているところです。なかでも「バルボンの少年少女野球教室」は人気が高いですね。年間を通して、様々な事業についてコミュニティ・グループを組織して企画し実行しています。
◇スタンドからまちへ・・・地域にどう貢献するかが新たな課題
【吉田】
 近年、大阪のまちの中心も西側エリアを巻き込んで拡大しつつあるように感じるところで、阪神なんば線の新駅もできるわけですから、そのようなエリアに本拠地を置く球団としては、地域の発展に貢献するものでありたいと思っています。
 来年は大阪で48試合を予定していますし、その中で市民デーも企画し、地元の方々が気軽に来場していただけるようにしたいと考えています。
 また、来年からはダブルフランチャイズの暫定措置も終え、兵庫県は「阪神タイガース」の保護地域指定のみとなりますが、兵庫のファンもこれまで同様大事にしていく方針です。
 両球団の関西対決ができれば、地元ファンの気運も盛り上がっていくことでしょう。
【辻】
 ホーム試合の年間観客動員数ランキングでは、1位阪神、2位日本ハム、3位ロッテ、4位オリックス、5位楽天の順となっています。
 球場に足を運んでいただくだけでなく、「とにかくまちに出て行こう!」という方針で、球場に近い大阪市西区や大正区の市民まつりにも選手やキャラクターが参加しています。新しい選手会長の北川博敏内野手は明るく地域にも馴染みやすい人柄ですから、スタンドからまちへふれあいの輪を拡げてくれるものと期待しています。
【吉田】
 これからは地域貢献も球団経営上の大きな課題のひとつになるわけで、京セラドーム周辺の再開発との連携づくりを進めたり、球場へはなるべく公共交通で来て欲しいというメッセージを発信しているところです。
 土日はなんとか集客につながっていますが、平日の火・木・金の集客に苦労しています。やはり、梅田から難波あたりのビジネス街に勤務する男性をターゲットにPRしていきたいと思っています。ハード・ソフト両面で、リラックスして来場していただき、ワイワイと楽しく快適に過ごしていただける環境をどう提供するかにかかっているわけです。野球観戦はストレス発散に最適ですからね。
 休日はファミリーで来場して、家族の絆を深めていただければありがたいことです。そのためには、教育委員会や交通事業者とのタイアップも図っていく方針です。
【辻】
 大学連携による社会研究発表の機会でも、地域活性化にわが球団をどのように活用できるか?という課題で取り上げられ、若い世代の意見や提案を知るよい機会になったと思っています。
(c)オリックス野球クラブ(株)
◇これからのターゲット層は?

【研究会】
 関西のプロ野球ファンは600万人とも言われ、そのうち400万人が「阪神タイガース」だそうで、根強いファン層に支えられていることがわかりますね。ただ、「オリックス・バファローズ」も合併前は「大阪近鉄バファローズ」と「オリックス・ブルーウェーブ」の両方のファンを引き継いだともいえるわけで、これらの層が固定ファンとして根付いているのではないのでしょうか?余談ですが、同じ意味で「福岡ソフトバンクホークス」に「南海ホークス」ファンがどれほど残っているのかも気になるところです。

【吉田】
 残念ながら合併後の広告宣伝手法が間違っていたのかもしれませんが、2つの球団が合併したとはいえ、選手の大半は近鉄側でしたから、大阪に力点を置いた事業展開を行うべきだったのかもしれません。つまり大阪のファン層からみれば、「オリックスはどうしたいのか?」と思っておられたのかもしれませんね。
 球団経営としては、全体としてのまとまりを重視するか、有力選手で人気を牽引していくかが問われるわけで、ファン層としても独特なカラーを持つ近鉄ファン、隠れ阪急ファン、ブルーウェーブ時代からのファンとひとまとめに捉えられない面があります。
 「南海ホークス」ファンについては興味深いデータがあって、京セラドームで「福岡ソフトバンクホークス」戦を行うと、なぜか3塁側が早く埋まってしまうわけで根強いファンがいらっしゃるのでしょうね。
【研究会】
 昔は「阪神タイガース」も赤字に悩み、観客が少なかった時代があると聞きます。たまたまファンが風船とばしを始め、今や定番の応援スタイルになりましたね。球団の経営努力はもちろんのこと、ファンが勝手に球団を育ててくれたような感もあるのではないでしょうか?
 村上ファンド以降のファンの怒る姿を見ると、球団は経営者よりファンにとっての資産だと感じます。
 ところで日本の人口問題と同じく、根強いファン層のみをターゲットにしていれば必然的に高齢化に進むわけですが、ファミリーをターゲットにしたPR戦略は、次のファンを獲得する上でも重要なことだと感じますよ。
【吉田】
 子どもは親が贔屓にしている球団に影響を受けるところが大きいですからね。子どもが親に連れられて野球観戦した思い出がその人をファンにし、また新たな世代に継承されていくことに期待しています。もちろん球場には行かなくても、テレビ観戦を楽しみにしてくれるファンも大事です。
【辻】
 ある意識調査結果では、「野球に興味がない」とする回答が20〜30歳代で40%、60〜70歳代で10%という結果が出ています。こういうデータを見ると、野球に関する無関心層が徐々に増えているように感じるのです。
【研究会】
 球場の観客収容規模を拡大するか、こじんまりとしたなかで密度の濃いサービスを展開するかは考えどころとして、女性客の獲得も大きな課題ではないでしょうか?
 以前、ドーム前でデーゲームのある日には広場で移動スタジオを設置して、イケメン選手がインタビューされていたりして、その周囲には女性と子どもが黒山の人だかり状態で、これを楽しみにしている人も多かったと聞いていますよ。
【吉田】
 アメリカの球場などは子ども連れで観戦されているお客さんがかなり多いので、女性を含めファミリー層をどう獲得していくかは大事な課題ですね。
【研究会】
 「阪神タイガース」は負けてもファンが長続きする特異な存在ですね。「高校野球」「甲子園」の相乗効果もあるのでしょうが、ファンがファンを呼ぶというか、試合が終わっても帰らずに盛り上がっている姿が名物になってしまうくらいです。
 基本的に球団経営と球場経営は同じでなく、「阪神タイガース」は年半分を球団野球に、残りを球場活用イベントや飲食物販で効率よく収益を上げているようです。専用スタジアムの運営はなかなか難しいものがあるでしょうね。
【吉田】
 京セラドームも深夜10万円程度で草野球利用をPRしたところ、結構利用があります。
 「阪神タイガース」のサブスタジアム的な効果もあってか、タイガースグッズがよく売れていますよ。
(c)オリックス野球クラブ(株)
人権週間イベント
(c)オリックス野球クラブ(株)
グローブをはめて
(c)オリックス野球クラブ(株)
須磨海岸クリーン作戦
◇阪神なんば線は各地のエンターティメントをつなぐ路線
【研究会】
 最近の「阪神タイガース」は女性向きグッズもつくっているほどで、やはり女性ファンを意識しているのでしょう。女性だけのグループで来場する場合も増えてきたようです。
 ところで阪神なんば線は、沿線に有名なスタジアムやイベント拠点がたくさんある「エンターティメント路線」とも言えるのではないかと思っています。このような資源が集積しているメリットを地域活性化にどのように活用していくかが課題になりそうですね。
 もともと「大阪近鉄バファローズ」のファン層が多い奈良方面とつながるということもあり、近鉄沿線を巻き込んでバファローズの郷愁が残っている内に何とか手を打たないといけませんね。
【吉田】
 折しも「京セラドーム」周辺は、阪神なんば線の開通もあって、広域エリアから人の動きが期待できる重要な結節点になりますので、これからは地域活性化の視点でも球団経営を考えていくべきと感じています。
 大阪、神戸だけでなく、奈良の活性化にも貢献することが、多方面に愛される球団経営の使命なのでしょうね。これからも皆様のご指導ご意見をお待ちしております。
(2007.11.1)

 ○ オリックス野球クラブ公式サイト
http://www.buffaloes.co.jp/

 

オリックス・バファローズ球団理念

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