

「今朝は、二日酔いでね。どうも、昨日“ちゃんぽん”したのがいけなかった…」。なんて、酔っ払いが口にすることがある。ちゃんぽんとは、日本酒だけじゃなく、ビールやワイン、焼酎など数種類のアルコールを混ぜこぜに飲むことを言う。どうやら、これをすると悪酔いしてしまうと、酒飲みの間では信じられているらしい。
そもそも、ちゃんぽんとは、あの長崎ちゃんぽんから来ているという説がある。ちゃんぽん料理には、豚肉だの海老だの牡蠣だのキャベツだの、さまざまな具が一つの鉢に入っている。多分、ちゃんぽん料理の好きな酒飲みの誰かが、「ああ、今日はいろんな酒を飲んだな。まるで昼に食べたちゃんぽんの具みたいだったなあ…」なんてことを思わず知らず口走ってしまい、「それ、面白いね」なんてことになったのではないか。ちなみに、日本で初めてちゃんぽん屋が開かれたのは、明治になってからのこと。勝海舟が長崎の店を訪れ、そのうまさに絶賛したという逸話も残っている。
しかし、これにはヤッパリ別説もあって、ちゃんぽんの“ちゃん”とは鉦の音、“ぽん”とは鼓の音のこと。異なる楽器を同時に奏でることに由来しているという。もし、酒とちゃんぽんを最初に結びつけた人が、こちらの説をとったというのなら、なかなか音楽的なセンスとしゃれっ気があったと思うのだが…。
最近の研究によれば、違う酒を同時に飲んだからと言って、酔いが早まったり、悪酔いすることはないそうだ。むしろ、「さあ、ビールはこれぐらいにしておいて、仕切り直しで地酒をいただきましょうか。え、その次?
ウイスキーボトルを入れているお店があるんですがね…」なんて、自然とたくさんの酒を飲むことになる。つまり、悪酔いするのは“量”の問題なのだ。ま、酒飲みにとって、ちゃんぽんの一言で、二日酔いの言い訳が立つんだから、科学がどうのこうのなんて、無粋でしたかね。
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[vol.10]
“ちゃんぽん”すると悪酔いするワケ
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