

あるビールメーカーの調査によると、2005年のわが国のビール消費量は634.3万klで、東京ドームをジョッキに見立てると軽く5杯は越えるそうである。世界的に見れば、中国が消費量ナンバーワンで、2位はアメリカ。やたらにビールばかり飲んでいるような印象があるドイツは第3位だということだ。
一口にビールと言っても、お国柄によって見かけも味もずいぶん違う。ビールの主原料は麦芽、ホップ、そして酵母。そのほか、米やトウモロコシなどを使う場合もある。酵母をビールの上面で醗酵させたものが、イギリスのパブなどで飲まれるエールビール。下面で醗酵させたものが、わが国ではお馴染みのラガービールである。
昔々はずいぶん粗悪品も出回ったらしい。ハンムラビの法律では、酒の量をごまかせば死刑という物騒なものもあった。ドイツでは1556年、「ビールは麦芽、ホップ、水、(酵母)のみを原料とする」と定めた『ビール純粋令』が布告され、なんと500年たった現在でもこの法律が厳守されているというから驚きだ。
イギリスのロンドン塔のほど近くにある「タイガー・タバーン」というパブは、エリザベス女王時代から店を開けている老舗。新酒の時期が訪れると、木製の丸いすにビールをたっぷりとたらし、その上にロンドン市長が腰を下ろすことになっている。市長の高級ズボンがいすにべったりとくっ付いたら、そのビールは合格。パブのドアに月桂樹が飾られる。古式ゆかしき新酒のテスト方法だと言うけれど、イギリスならではの反骨精神とブラックユーモアが込められているように思うんですけれど…。
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