

阪神電鉄のネットワークを西九条駅から難波まで延伸する計画は1948年頃から進められ、その後紆余曲折を経てようやく2003年(平成15年)10月より延伸工事に着手されているわけです。
そこで、そのような大規模工事がどのようなものか興味津々で、「西大阪線延伸の工事現場を見せてください」とお願いしたところ、今回の見学会を準備していただきました。
まずは阪神西九条駅に集合し、ヘルメット、説明アナウンスのレシーバー、軍手を身につけ、カメラ片手に出発しました。
既に西九条駅周辺にもおよそ4階建てのビルの高さに匹敵する大きな橋脚がいくつも立ち上がり、その足元を辿るように安治川をめざしました。

地元が誇る安治川トンネルの真横には、川幅約70mの区間をまたぐ安治川橋梁が今年3月4日に架設されています。
安治川橋梁は重さ500トンを超える大きなアーチ状の鉄橋で、はやくも地域の新たなランドマークになっているようです。これを架設するにあたっては、住宅や工場が密集するなか、通常のクレーンを使用した工事ができないという事情があって、別の場所であらかじめ製作したアーチを船上で組み立てて、大阪湾の引き潮を利用して船を下ろす「ポンツーン工法」を使って敷設されたということです。
ここから工事用足場を伝って地上約10mを超える橋梁に登り、安治川をわたります。電車で橋梁を渡る分には何の恐怖心もありませんが、高所恐怖症の身にとって工事途中の橋梁を歩いて渡るのはとても恐ろしく、はるか彼方に見える弁天埠頭など周囲の景色を見渡すほどの余裕もありませんでした。這々の体で対岸の九条側に降り立つと、こちら側からの地元の人々が安治川トンネルを利用している様子が見受けられました。
さらに、ここから九条のまちなかを通る高架工事の足元を辿って進み、商店街のアーケードのすぐ横に立つ橋脚に驚きながら進みます。まさに既存のまちなかに忽然と立ち上がる橋脚は、まちの訪問者にとっては「車窓から面白そうなお店が見つかるかも...」という期待も抱かせてくれそうですが、地元の人としては地域を分断してしまうことや騒音の発生に危惧されているようで、あちこちで「もぐれ阪神(地下化せよという意味でしょう)」という横断幕を見かけました。
一方で、西大阪延伸線は現在の計画でも国内の都市鉄道では最も勾配が大きい路線だそうで、安治川を越えてすぐに地下にもぐるための勾配を想像すると、「ジェットコースター並みになってしまうのではないか?」という素人考えも持たれるわけです。
確かに高架によってまちなかが二分されるであろうことは事実ですが、高架下の活用方法によっては、地域ににぎわいを生んだり、ちょっとした憩いのスペースや地元の人々の生活を別の方向で便利にすることも可能かもしれませんね。
延伸線の高架部分は九条のまちなかあたりまでで、中央大通手前からは地下にもぐっていきます。
( 次回に続きます >> )
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