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特集(2)わがまちの輝き見つけ隊 vol.16
 尼崎の臨海地域には、“工都”を支えた運河という都市資産があり、平成14年3月に兵庫県が策定した『尼崎21世紀の森構想』の実現に向け、市民や事業者が参加する尼崎21世紀の森づくり協議会の活動や、平成19年4月に国土交通省の「運河の魅力再発見プロジェクト」の第1次認定を受けて、官民協働でまちづくり資源としての運河の魅力を発信する取り組みが展開されています。
 今回は、サミット環境大臣会合開催記念の一環で開催された「第6回尼崎21世紀の森づくりフォーラム−運河わいわいサミット−」の参加体験記を2回シリーズでご紹介しましょう。
   
わがまちの資源を見直そう! 運河わいわいサミット(その1)
◇百年かけて壊した環境を、百年かけて市民の手に!

 尼崎といえば重化学工業を中心とした阪神工業地帯を有する“工都”として知られ、港と運河を活かして第二次大戦後の経済勃興期のわが国の発展に寄与したまちでありました。
 やがて時代の変遷とともに深刻化する公害問題に真摯に向き合いながら、ものづくり面でも構造転換を図り、今日運河沿いには世界的にも高い水準の産業を集積させるに至っています。
 また臨海部では、遊休地等を活用して遊歩道やデッキなどの環境に配慮した運河沿いの整備や緑化が進められ、工場によって遠ざけられていた水辺と市民生活の距離感が縮まり、緑とうるおいにあふれた貴重なまちづくり資源として人々の熱い視線が集まりつつあります。
 とくに国道43号以南の臨海地域(約1000ha)で展開される「尼崎21世紀の森づくり」は、近代化の過程において失ってきたかけがえのない自然を、100年かけて再び市民の手に取り戻そうとする壮大かつ実直なプロジェクトとして注目されています。
 そして今回の「運河わいわいサミット」も、「尼崎21世紀の森づくりフォーラム」の一環として実施されたものです。
出典:尼崎21世紀の森づくり協議会パンフレット (MAPをクリックすると拡大MAPをご覧いただけます)

◇「森」と「運河」の密なる関係


 「なぜ森づくりフォーラムで運河サミットなの?」と言うなかれ。
 「尼崎21世紀の森づくり」では、「森と水と人が共生する環境創造のまち」をテーマに、「森部会」「産業部会」「まちづくり部会」「発信部会」の4つの部会に分けて活動がなされ、「まちづくり部会」では臨海部に縦横にできた運河を楽しむことをきっかけに、多くの人々が憩いを求めて訪れるようなしくみづくりやにぎわいづくりに取り組まれているのです。
 これまでには、運河周辺の企業紹介マップを作成したり、「うんぱく(尼崎運河博覧会)」の開催や、運河の水質浄化に向けた取り組みが展開されています。
 「尼崎21世紀の森づくりフォーラム」も今年で6回目を迎え、今回からは一般参加者が主体となって意見やアイデア交換を進めつつ、グループとしての提案をまとめて発表しあうワークショップ形式が取り入れられることになりました。

「運河わいわいサミット」の主なプログラム
午前: 運河を中心とした3テーマに分かれ、まちあるきを実施
(1)運河とみどり (2)運河の魅力発信 (3)運河の水質改善
午後: 尼崎運河についての報告(尼崎港管理事務所)
3つのテーマに分かれてワークショップの実施
全体での発表会
 事務局によると、今回は100名限定で参加者募集したところ、106名の応募があったそうで、イベントへの関心の高さがうかがわれました。
 しかも尼崎市内だけでなく、西宮市、大阪市等の近隣都市からの参加も多く、徳島市内のNPO「新町川を守る会」ほか、兵庫運河や水都大阪プロジェクトに関わる関係者の参加もあり、運河という都市内の水辺を介した交流の輪が拡がっていくことに期待されます。
 参加者の年齢層も学生から高齢者層まで幅広く、地元でボランティアガイドや野鳥の会活動に携わっている人々など多彩なメンバーで構成されるワークショップは、和気藹々とした雰囲気の中で進められました。
 ワークショップのいずれのテーマも大変興味深く、我々もどこに参加するかに悩んだ末に、「運河とみどり」グループに加わることにしました。
 次回は、まちあるきとワークショップの模様をお伝えします。

 ○ 尼崎21世紀の森づくり公式サイト
http://www17.ocn.ne.jp/~ama21/top.htm
パネル展示
全体会合
澤木教授(アドバイザー)
   
<ちょっと豆知識>

国土交通省「運河の魅力再発見プロジェクト」とは...
 「運河」は人にうるおいと安らぎを与える水辺環境空間としてだけでなく、時には魅力ある観光資源や、大規模震災時の水上輸送基盤として大きな役割を果たすものです。そのため国土交通省では、地域が「運河」の魅力を再発見し、独自の知恵や工夫により、周辺地域のコミュニティ基盤や観光基盤、災害時の緊急輸送基盤としての機能など、運河を核とした魅力ある地域づくりへの取り組みを支援するため、『運河の魅力再発見プロジェクト事業』を創設されています。平成19年にこのプロジェクトの第1次認定を受けた地域は、以下の8箇所です。
 (1)貞山運河の魅力再発見プロジェクト(貞山運河、仙台塩釜港)
 (2)中央区運河のにぎわいづくりプロジェクト(朝潮運河、東京港)
 (3)ヨコハマ水辺空間活性化プロジェクト(横浜内港地区、横浜港)
 (4)富岩運河元気わくわくプロジェクト(富岩運河・住友運河、伏木富山港)
 (5)「温故知多新」半田運河再活性化プロジェクト(半田運河、衣浦港)
 (6)南港咲洲キャナルを活用したコスモスクエア地区活性化プロジェクト(咲洲キャナル、大阪港)
 (7)21世紀の尼崎運河再生プロジェクト(尼崎運河、尼崎西宮芦屋港)
 (8)堀川運河ふれあい文化交流促進プロジェクト(堀川運河、油津港)

<トクトク情報>

都市部の貴重な自然海岸「御前浜・海辺のひろっぱ」を活用しよう!
 明治以前の尼崎臨海部は「ちぬの海」と呼ばれ、葦や松が茂り、美しい砂浜が連なる「世界で最も美しい景観」と絶賛された瀬戸内海の一部でありました。しかし、近代化の進展と共に海辺の埋立てが進み、工業地帯が整備され、現在に至っています。近隣の御前浜・香櫨園浜においても、阪神電鉄の沿線開発の一環として、明治40年に海水浴場が開設され、大勢の海水浴客が海水浴を楽しむ姿が見られたそうです。
 やがて高度経済成長期には、沿岸域の開発や下水・工場廃液の放流などによって次第に海水が汚染され、海水浴場は昭和40年に幕を閉じることになってしまいました。
 それでも現代になって、都市の中の自然海岸という貴重な環境をもつ御前浜・香櫨園浜の環境を守り、人々と海辺のつながりを見出そうとする活動も芽生えています。
 「御前浜・海辺のひろっぱ」では、浜に残されている貴重な自然や歴史資源を守り・活かしながら、子ども達にとって望ましい海辺環境の実現をめざすためのハード・ソフト両面からの取り組みが展開されています。
 このような取り組みに関心をもつとともに、もっと身近な水辺に親しんでみませんか?

 ○ 海辺のひろっぱ http://www.omaehama.org/

   

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