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特集(2)わがまちの輝き見つけ隊 vol.12
 1995年1月17日に起こった阪神・淡路大震災は、各地に未曾有の被害をもたらしました。阪神エリアでも、多くのまちや人が被害を被り、悲しみや苦しみを乗り越えて復興をめざしてこられました。
 震災から13年が経過した今日、あの630日の経験を忘れず、安全なまちづくりや命の尊さをふまえて共に生きることの素晴らしさを分かち合おうとする活動が、様々な方面で活発に展開されています。
そこで今回は、阪神・淡路大震災のメモリアルとして建設された「人と防災未来センター」をはじめHAT神戸の様々な施設を巻き込んで展開されたイベント「防災EXPO2008」の模様を2回シリーズでご紹介しましょう。
   
忘れていませんか 1.17・見つめていますか 安全な未来 HAT神戸 + 防災EXPO2008 (その2)
◇震災の記憶をつなぎ、 防災・減災の切なる願いを発信する「人と防災未来センター」
 2002年4月に兵庫県によって設置された「人と防災未来センター」は、阪神・淡路大震災の経験を語り継ぎ、その教訓を未来に生かすことを通じて、災害文化の形成、地域防災力の向上、防災政策の開発支援を図り、安全・安心な市民協働・減災社会の実現に貢献することを指命とする施設です。
 ここでは、世界的な防災研究の拠点として、「減災社会の実現」と「いのちの大切さ」「共に生きることの素晴らしさ」を世界へ、未来へと発信するための様々な展示や試みが実施されています。

 まずHAT神戸にある施設に出かけると、「鎮魂の鐘」のある広場を挟んでガラス張りの「防災未来館」とアースカラーの色調の「ひと未来館」に建物が分かれ、この2つの建物が「人と防災未来センター」と総称されていることがわかります。
 初めて見学する方むけのお勧めの観覧方法としては、まず「防災未来館」に出かけて「共通入館チケット」を購入し、1Fロビーにてシアターの案内を待ちます。この館では、まず定時上映されるシアターとホール上映を鑑賞し、その後自由に展示を見学するシステムが効率よく設定されています。
 「防災未来館」では、阪神・淡路大震災の経験と教訓を後世に継承し、国内外の災害による被害の軽減に貢献する目的の展示に力点がおかれ、2008年1月9日にリニューアルオープンされたばかりでした。

 まずはスタッフの誘導により円形の「1.17シアター」に入場しました。ここでは、約7分間にわたって1995年1月17日午前5時46分の恐怖を追体験できるもので、激しい大音響と地響きの中、瞬時にして倒壊する家屋やビル、電柱、高速道路、鉄道、降り注ぐガラス片、崩れ落ちるアーケード、遠くで上がる火の手...といった再現および実写映像を観ました。
 一同言葉もないままシアターを出て、実物大ジオラマで再現された「震災直後のまち」を辿り、「大震災ホール」に向かいます。
 ここでは、被災者の体験手記に基づいた15分程度の話が現地写真等を交えながら上映されました。瓦礫の下敷きになった上に迫ってきた火災で家族を亡くし、学校等の避難所で過ごすものの、そこにも多数の棺が運び込まれる現状、苦しい避難所での生活と様々な人々の支援の姿、やがて復興に向かって立ち上がっていく人々の姿を再現したドラマは、災害の現状を知らない者を激しく打ちのめし、ハンカチで目を拭う人の姿も見られました。また、この震災を体験した方が子供を連れて訪れ、震災を知らない子供が発する素朴な疑問に優しくこたえている姿も目にしました。
 この後は、自由見学コースで、被災者が提供された品や体験談を展示するコーナー、被災後から復興までの姿を解説したコーナー、ビデオによる体験談を見るコーナーなどを巡ることができました。
 とりわけ現物が物語る被害の凄さは映像を勝るものがあり、「焼け爛れた父が愛用していたカメラ」「車に乗せた時はまだ温かかったのに...という家族の手記が添付された死亡診断書」「5時46分を刻んだまま止まってしまった時計」等々、一つ一つの展示物が非常に悲しい現実を伝えてくれるものでした。展示コーナーにはボランティアさんが待機され、「震災の語り部」として当時の思い出(という軽々しい言葉を使いたくなくなるのですが)を語り聞かせて下さいました。
 その後訪れた「防災ワークショップ」では、実験やゲームを通して災害に関する実践的な知識を得ることができ、「避難グッズチェックリスト」や「わたしたちの防災メモ」を持ち帰ったり、すごろくで災害時の備えを楽しく学ぶことのできるコーナー、「液状化現象等の実験コーナー」など、子供から大人までが興味を促され、学ぶことのできるシカケが多数用意されていました。
 つぎに「ひと未来館」に移動し、「こころのシアター」を見学しました。この館では、いのちの尊さと共に生きることの素晴らしさを体感・発見できるような展示にまとめられており、とりわけ「こころのシアター」にその精神が集約されているように感じられました。ここでは、「葉っぱのフレディ」のストーリーを3D映像で体感することができ、生と死、命あることのかけがえのなさを実感し、あふれる涙をこらえることができないくらいでした。
 その後、自然をテーマに共生のあり方を考えさせられるコーナーを巡り、「夢を通じて脳の働きを学ぶ」レクチャーを受け、「映像と香りによる癒しのコーナー」「音楽遊びのコーナー」「懐かしい創作遊びのコーナー」で楽しむことができました。
 両館ともに盛りだくさんな展示や体験イベントが用意されており、まる1日かけてじっくり学び、家族で体験を語り合い、また今日からのくらしに活かすべきたくさんのことを得ることのできる貴重な教育施設でした。

 ○ 人と防災未来センター 公式サイト http://www.dri.ne.jp/
〒651-0073 神戸市中央区脇浜海岸通1-5-2
tel.078-262-5050
   
<ちょっと豆知識>

日本初の国連SASAKAWA防災賞を受賞
 2007年10月には、「人と防災未来センター」センター長の河田惠昭さん(京都大学防災研究所巨大災害研究センター長・教授)が、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で、国連SASAKAWA防災賞の受賞者として表彰されたそうです。
 1986年の同賞創設以来、日本人初の受賞であり、防災教育関連施設の長としても初の受賞であるとのこと。
 さらには、同時期に国連機関の国際防災戦略(ISDR)の兵庫事務所がセンター内に開設されたとのことです。
 このようなニュースを見聞きするにつけても、日本の防災への取り組みが国際的に評価されていることがうかがえますね。

<トクトク情報>

ボランティアが大活躍
(平成20年度ボランティアを2月22日まで募集中)
 「防災未来館」では、館内ガイドツアーや語り部等の運営ボランティアが活躍され、より心に迫る学習経験ができるしくみとなっています。
 センターは外国人の見学も多く、多国語や手話で案内できるスタッフが求められています。あなたの知識や経験を、ボランティア活動に活かしてみませんか?


夏休み防災未来学校
 センターでは、防災・減災を学べる夏休み防災未来学校が実施されています。2007年度は、地震体験車などの体験型プログラムやワークショップなど多彩なイベントに1500人以上の参加があったそうです。学校単位や地域ぐるみの次世代教育型防災学習の機会として有効に活用してみませんか?


   

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