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本来、アート活動とは、美術館や劇場、ホール等の専用空間で実施されることが多かったものですが、近年は発想を変えて、野外やまちなかで表現される機会が増えつつあります。
これにより、アーティストはより創造の可能性を拡げることができ、またアート活動に馴染みのない人でも身近にアートに接することができ、楽しい時間を共有することができるという機会につながっています。
つまり、アートでまちを元気にしようとする活動とは、アートを媒介として人と人のコミュニケーションを育んだり、新たなまちの魅力を発見したりする効果に期待するものであるといえましょう。
今回は、前回ご紹介した『神戸ビエンナーレ2007』の会期に併せて実施された『アートツーリズム・ワークショップ:神戸観考』の模様をお伝えします。 |
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◇アートツーリズム・ワークショップとは?
今日、「観光」が様々な方面で注目を集め、「タウンツーリズム」「グリーンツーリズム」「エコツーリズム」等々様々な造語が生みだされています。
そのひとつとして、アートをテーマにまちを巡り、様々な発見を楽しむ「アートツーリズム」も、近年各所に定着してきたような感があります。
そこで、その一端にふれてみようと、『神戸ビエンナーレ2007』の会期に合わせて開催された『アートツーリズム・ワークショップ:神戸観考』に参加することにしました。
『神戸観考』という言葉もなかなか意味深で、「神戸観を考える」とも「神戸観光のあり方を考える」とも解釈できるところが、いかにもアート的ではないか!と感心してしまったものです。
まずはプログラムを入手し、神戸出身の5名の現代美術アーティストにちなんだ5つのまちの過ごし方が提案されていることを知りました。 |
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| 神戸観考1. |
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榎忠のアトリエ訪問と食の夕べ
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兼正興業(株)、中華料理愛園) |
| 神戸観考2. |
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束芋の部屋への招待(GREEN HOUSE Aqua) |
| 神戸観考3. |
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澤田知子を巡る5つの話(CREOLE) |
| 神戸観考4. |
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島袋道浩と行く港町神戸の旅(神戸港クルーズ) |
| 神戸観考5. |
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藤本由紀夫と過ごすCAP HOUSEの午後 |
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まずは、クルーズ・レポートの前に、そもそものワークショップの趣旨をご紹介しておかなければなりません。
(以下、パンフレットをそのまま引用します)
『このプロジェクトでは、新しく多様な【神戸】について、観て、考える機会を実施します。まちの景観を含む神戸の地脈に関する考察もさることながら【人材と磁場に関する神戸資源の考察】をテーマに、アートの最も根源的な存在となるアーティストをクローズアップし、その思考と感性を巡る旅を提案するものです。
アーティストの優れた創造性の英知を通じて、当たり前に感じていたモノやコトを独自に捉えることの重要性を周知するとともに、神戸における芸術の未来像を思い描きながら多文化共生のオルタナティブ・スペースとしての都市空間の可能性を提案できれば幸いです』
ワークショップを主催される神戸アートビレッジセンター(KAVC)では、1996年から10年間にわたって若手芸術家を育成する事業「神戸アートアニュアル」を実施されてきました。今後は、その実績を元に、新たな創造観賞型事業「アートイニシアティヴ・プロジェクト」※を始動するため、今回のワークショップの開催に至ったのだそうです。 |
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「アートイニシアティヴ」とは、芸術が社会活動や個人生活に積極的に関与することの重要性から生まれた言葉。KAVCでは、芸術による社会への積極的な提言をめざし、様々な事業を展開されているとのこと。 |
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◇島袋道浩と行く港町神戸の旅
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神戸港クルージングは、中突堤中央ターミナルから出航する「ロイヤルプリンセス号」に乗り込むところから始まりました。定員50名のツアーで、各自受付・乗船を済ませ、ようやく全員がデッキに集められ、島袋さんを囲むような形で着席して、ゆるゆると神戸港を出港しました。
沖縄から神戸に移住されたご両親のもとに生まれた島袋さんは、現在はベルリン在住で、様々な国や地域を訪ねて作品を生みだす新進気鋭の「旅するアーティスト」です。
かつて神戸港から国内に発着する航路の船に乗り込んでは、足元のおぼつかないご老人等のお世話をする仕事を主としてなさっていたとのことで、港や船旅にまつわる思い出話を熱っぽく語って下さいました。
また、1908年日本最初のブラジル移民家族が笠戸丸で神戸を出港してから来年で100周年を迎えるとのことで、神戸では何らかのセレモニーが予定されているとのこと。島袋さんも当時の移民をブラジルに訪ね、聞いてきた思い出話などを語ってくださいました。
こうして明石海峡大橋の付近で船が方向転回してからは一同船室に移動して、島袋さんの映像作品の鑑賞会となりました。今回鑑賞した作品は、「そしてタコに東京観光を贈ることにした」というもので、明石で水揚げされたタコを生きたまま東京見物に連れて行き、様々な人とのコミュニケーションの過程を経て、再び神戸港に帰すまでのドキュメント映像でした。鑑賞会は、地元神戸の豚まんとシュークリームのオヤツ付きで、楽しいひとときを過ごしました。
やがて船が神戸港に近づくと、再び一同がデッキに集合し、BGMに港町をテーマにしたムード歌謡を大音量で流しつつ、着岸の時を待ったのでした。 |
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◇神戸港の風景から
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今年は神戸開港140年を記念する年です。
神戸港では今日でも日本を代表する造船所が稼動しているため、大型タンカーが製造されている現場や、潜水艦がドッグ入りしている様子を眺める貴重な体験ができました。
また、操業中の漁船も多く、海を糧にした生活の現場をつぶさに知ることができました。
近年では、埋立地に大学キャンパスの建設が相次いでいるなど、新たな港の姿も見ることができました。
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