 |
 |
 |
まちを美しく保つための清掃活動や緑化・花づくりによる環境演出も、まちづくり活動のひとつといえます。
近年では、川や公園、道路などの公共施設を責任を持って美しく保つための関係づくりとして、「アドプト・プログラム」や指定管理者の役割を担う住民や企業、NPOの取り組みも増えていると聞きます。
日常生活に身近に関わる環境だからこそ、行政任せにするだけでなく、自分たちで手入れに関わり、愛着を持って使いこなし、まちの財産として継承していこうとする姿勢は、まちを変える大きなステップになると感じます。
そこで今回は、まちに関わる様々な立場が集結して、徹底的に公共施設をまる洗いしてしまうユニークな取り組みをご紹介しましょう。 |
 |
 |
 |
まる洗い実践マニュアル
灘・まる洗いプロジェクト実行委員会/編集・発行 |
|
|
|
| |
|
 |
◇大人も子どももみんなで公園の美化活動に参加!
神戸市灘区は、名水に支えられた酒造りの歴史文化を有するまちであるとともに、区内に4つの大学を抱え、2万人を超える学生・教員が在学・在勤する「大学のまち」の一面を持っています。
そのような経緯をもとに、学生有志からの発案で、地域住民・学生・子ども・企業が連携して「美しいまち・灘のまち」をめざす取り組み「灘・まる洗いプロジェクト」が生まれました。
平成15年9月に発足した活動は今年で4年目を迎え、地域に定着するとともに様々な協力の輪が拡がっているようです。
今回は10月13日に都賀川公園で実施された「まる洗いプロジェクト第14弾」に参加させて頂きました。 |
|

◇老いも若きも集まって、徹底的にまる洗い!
まちなかの街路樹も色づき始め、初秋の心地よい風がそよぐ休日の朝、目的地に集合してみると、既に公園にはたくさんの人々が集合し、子ども達が楽しそうにはしゃぎ回り、お祭り会場のような気分が漂っていました。
リーダーの開始のかけ声とともに全員集合し、「まる洗いプロジェクト」の趣旨説明と今回の掃除手順説明を手短に受けた後、参加者が3つのチームに分けられ、チーム内での自己紹介を終えて、掃除開始となりました。
灘区を南北に流れる都賀川の西岸に設けられた公園を3つのゾーンに分け、チーム単位で、ごみ拾い→掃き掃除&拭き掃除→デッキブラシ等でまる洗い、の行程で1時間半程度の作業を進めていくものでした。
掃除の強い助っ人として、環境美化団体「クリーンタウンKOBE」と兵庫県民局から貸し出された強力なスチームマシーン「ねっとう君」も登場し、噴水や石畳、あずまや、スロープ、手すりまで徹底的に清潔に磨き上げられたのでした。
環境面への配慮から合成洗剤は一切使用しない方針で、がんこな汚れには高圧蒸気で汚れをとる「ねっとう君」が使用されるのですが、子ども達には「ねっとう君」を使うのも楽しみのひとつであるらしく、順番待ちの長い列ができました。
普段は人々が憩う空間であるはずの公園に、なぜか家庭ゴミや粗大ゴミが山積みにされ、バーベキューや花火の跡も見受けられる現実に、参加した子ども達は何を感じたことでしょう。まだよちよち歩きの子どもたちも懸命にゴミを拾う姿を、世の大人達がもっと見てくれたら…と感じざるをえませんでした。 |
|

◇掃除は地域に関心を向けるきっかけのひとつ
|
|
今回の「まる洗いプロジェクト」に参加したのは、学生・自治会・ボーイスカウト・児童館の子ども達と父兄の約100名でした。
プロジェクトを後援する灘区役所まちづくり推進課の方にお話をうかがったところ、「毎回平均して60〜70名が参加されています。すべての内容は実行委員会で企画され、毎回清掃だけでなく、さまざまなお楽しみイベントも組み込んで実施されています」とのこと。
掃除が終了すると、温かいコーヒーで身体を休めながら、お楽しみイベントが始まりました。今回は、様々なお楽しみグッズが入ったエコバックのプレゼントをめざした○×クイズで、ゴミ分別や灘区に関する知識から出題され、会場は大いに盛り上がりました。
このほかにも、毎回ゴミ箱ハンドペイントや樹名板づくり等のお楽しみ企画にも力を注がれているそうです。 |
 |
「灘区は多くの学生が住んでいながら、従来は地域と交流する機会が多くありませんでした。私も灘区に下宿したのが縁で、このプロジェクトに関わっています。皆が世代や立場を超えて掃除を楽しみながら、自分たちの住むまちについて考え、交流を深めるきっかけになることを願っています」と、実行委員会代表の山本浩平さん(神戸大学)は語ってくれました。
山本さんをはじめ学生スタッフは、まちづくりボランティアサークル「はっPターン」にも参加し、世代交流や地域美化に貢献されているそうです。
実行委員会では、過去10回の活動成果をもとに、プロジェクトの企画から実施までの一連の流れをわかりやすくまとめた『まる洗い実践マニュアル』を発行し、希望者に配布されています。「一人の学生が大学を通じて地域と関わる期間はそう長くありませんが、活動が様々な人や地域に拡がっていくことに期待したいものです。」
実行委員会代表も山本さんで2代目となり、活動が着実に継承されていることがうかがわれます。同時に『実践マニュアル』等のツールを通じて、まる洗いプロジェクトの種が様々な地域に芽生え、大きく育っていくことを私たちも心から応援しています。
|
|
| |
|