西大阪線あこがれぷらっとホーム楽会 街と街、人と人、関西の未来にもつながる西大阪線
 
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「特集テーマ」では、沿線のまちの意外なつながりにまつわるお話を中心に、連載コラム形式でご紹介していきます。
沿線のまちで発見した酒に合うグルメや酒を楽しむスポット情報など盛りだくさんに取り上げてみたいと思います。

特集テーマ: お酒が醸す素晴らしき沿線文化

 日本一の酒どころ『灘』。灘五郷という言葉があるように、今津郷・西宮郷・魚崎郷・御影郷・西郷と阪神間の海岸線に沿って酒蔵が多数点在しています。ワイン・焼酎・梅酒とさまざまなお酒がブームになりましたが、実は今、日本酒が見直されつつあるんです。さまざまなシチュエーションや食材にもマッチする日本酒の楽しみ方を習いに、灘へ出かけてきました。

   
男酒の歴史と楽しみ方を学ぶ 女性のための日本酒セミナー
 「カーテンを開けると雪景色であった」。まさしくそんな大寒波が押し寄せた2月24日、雪が降り続く灘の白鷹禄水苑で「女性のための日本酒セミナー」が開かれました。このセミナーは西宮商工会議所と西宮市が、灘という日本一の酒所をもっと知って欲しいと、地元の酒造メーカーに呼びかけ実現しました。
 「当日は、阪神西宮駅から『もだんる〜ぷバス』にご乗車ください」との案内通り駅に行くと、何やら女性ばかりの人だかりが出来ています。「女性のための・・・」もしやと思い近づいてみると、今日、セミナーに参加される皆さんが早々とバス停に並んでいました。帽子にマフラー、そして手袋。その服装からも伝わってくる寒さの中、バスを待つこと15分。電光掲示板に「酒蔵コース」と書かれたバスが到着。女性ばかりを乗せた、満員御礼のバスが出発しました。
 この『もだんるーぷバス』は、1年で最もお酒が美味しい季節に合わせ、11月3日〜2月24日までの約4ヶ月間、阪神西宮駅を発着所とし、「酒蔵コース」「美術館コース」の2コースを巡る乗り放題のバス。「酒蔵コース」では白鷹のほか、日本盛や白鹿、アサヒビール西宮工場などを巡ります。白鷹禄水苑はその一つ目のバス停にありました。
 白鷹禄水苑は、かつてこの地にあった白鷹の蔵元、辰馬家の住居をイメージ再現した建物です。ショップ、レストラン、バー、多目的ホールに加え、江戸末期から昭和初期にいたる蔵元の生活道具を展示。生粋の灘酒の体験・販売をはじめ、灘の蔵元の生活様式や文化、日本酒と食の楽しみ方など、日本酒にまつわるさまざまな情報をコラージュした空間となっています。その2階の多目的ホールでセミナーは始まりました。
 講師は、白鷹禄水苑の総合プロデューサー辰馬朱滿子さん。365日、日本酒を楽しむというエキスパートです。「昔から男酒と呼ばれるように、濃醇で辛口、そしてコシが強いのが灘酒の特徴です。一年で最も寒い時期に仕込み、立春を待ってしぼりじっくり寝かせ、夏越しさせたお酒なんです。最近皆さんがよく飲まれるようになった、吟醸、大吟醸といった華やかでスッキリとした味わいのものとは正反対の、旨みの強いお酒といえます」。
 江戸時代、『灘の生一本』(灘で生まれ育った生粋の混じりけのない酒という灘酒の代名詞)は、1ヶ月をかけ船で江戸まで運ばれたそうです。揺れや天候などに左右され味を落とす酒が多い中、灘酒はむしろ旨みをます素晴らしい酒だと称され、当時酒のトップブランドだった伊丹・池田をおさえて押しも押されもせぬ酒蔵の町へと成長しました。
 灘の歴史を聞いた後は、いよいよ飲み方のレクチャーです。「日本酒には、冷やして美味しいお酒と、温めて美味しいお酒と2種類あります。まず純米酒系からご説明しましょう」。辰馬さんの話によれば、純米酒系に多く含まれる琥珀酸・乳酸といった酸は、温めると旨みが引き出されるそう。逆に冷やせば苦味や渋みが出てくるため、純米酒はぬる燗や熱燗に合うそうです。それに比べ、吟醸系のお酒にはリンゴ酸・クエン酸といった冷やすと爽やかな香りが増し、口当たりが良くなる酸が含まれていて、温めてしまうと味がぼやけるそうです。温度が美味しくいただくポイントなんですね。
 ただ、日本酒は素材や料理を選びません。ワインの場合、赤ワインは酢の物など酸味の強い食べ物との相性が悪く、白ワインは刺身といった生ものの臭みが増してしまうとか。その点日本酒は、素材のマイナス面を引き出すことが少ないお酒だそうです。お豆腐などあっさりとしたものや、脂っこいもの、チーズなどの乳製品、山葵や辛子など押しの強いものなど、どんなものとも合わせられる秘訣は、他のアルコール類に比べ、甘味、酸味、旨みといった味の成分のバランスがよいため。スローフード、スローライフが見直されている今、食事をとりながら、さまざまな飲み方でゆっくりと日本酒を楽しみたくなりました。
 さて、セミナーの後はお楽しみのきき酒会です。今回いただいたのは、蔵出しされたばかりの純米大吟醸「あらばしり」としぼりたての特別純米「しぼりたて 生原酒」、そして温めて旨みが増す特別純米「極旨口」。しかもおかわりOK、酒肴付という、お酒好きにはたまらない内容。
 一人で参加されている方も多く、はじめは静かだった会場も、お酒が進むにつれ初対面とは思えない賑やかさに。灘酒を皆さん満喫していました。
 その昔、酒造りは朝廷にのみ許される神聖なものでした。平城京があった奈良も酒所として栄えたといいます。平城京遷都から1300年余り経った今、阪神なんば線が二つの酒所を結ぶ架け橋となりそうです。


トクトク情報

第五期 白鷹禄水苑 日本酒文化アカデミー 酒米の王者「山田錦」の田植え・稲刈り体験

白鷹の酒造りに欠かせない酒米「山田錦」の田植えから稲刈り、寒造りの酒蔵見学などの体験講座など、一年を通じて日本酒について楽しく学べるアカデミー。毎回のお楽しみ、季節の蔵出し限定酒のきき酒もあります。

平成20年4月19日(土)〜平成21年3月22日(日)までの10回講座
■ 時間 (講義)15:30〜17:00 (田植え・稲刈りの集合時間及び酒蔵見学の時間は変更される場合があります。)
■ 講師   金関恕(辰馬考古資料館館長)・綿貫正利(白鷹醸造部長)・吉本幸一(白鷹顧問)・辰馬朱滿子(禄水苑総合プロデューサー)
■ 受講料   一般1万8000円(10回)、アカデミー会員1万6000円(10回)
※各講座にきき酒付き・資料費込み。 ※田植え・稲刈りは送迎・宴会費込み。
■ 定員   26名(定員になり次第締め切らせていただきます。)
■ 申込み方法   白鷹禄水苑受付カウンターにて受付中。または、白鷹禄水苑までお問合せください。
■ 問合せ   白鷹禄水苑 0798-39-0235


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