
バイオテクノロジーというと、ふだんの生活とは関係がないように思うかもしれませんが、少し視点を変えてみると面白いものです。今回開催されたバイオカフェは、私たちの暮らしの身近にあるバイオテクノロジーについて学んだり、話し合うことで、興味や理解を深めようというもの。もともとは1998年に英国で「カフェ・シアンティフィーク」という、科学技術について気軽に語り合う集まりから始まり、日本では2005年にNPO法人「くらしとバイオプラザ21」がバイオ版サイエンスカフェを開催。以来、全国各地で行われるようになりました。

今回のテーマは「バイオテクノロジーの歴史とこれから〜お酒から薬まで」。会場に入ると、小さなお子さんから年輩の方々まで、さまざまな年齢層の方の姿が。日本酒や珈琲、お茶などのドリンクが販売され、想像していたよりもずっとリラックスした雰囲気にほっと安心。ヴァイオリンとコントラバスの生演奏から始まり、美しい音色が程よく気分をリラックスさせてくれました。バイオテクノロジーの歴史を、暮らしの視点からわかりやすくお話ししてくださったのは、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の佐藤
元先生。味噌、醤油、チーズなど、私たちの食生活には発酵食品がたくさんありますが、パンやワインがつくられたのは、なんと紀元前4000年前に遡るとか。微生物を発見して以来、人類はその力を上手に活用して、生活を豊かにしてきたのです。

日本酒の醸造には、麹菌と酵母という2つの微生物が関わっていますが、長い歴史のなかで課題になった事柄を微生物の力で解決し、品質改良を重ねてきたという話は大変興味深いものがありました。お話しのあとは、質問と話し合いの時間へ。「ビールのアルコール度数は、5%以上高くはならないんでしょうか?」「飲んでも二日酔いしないお酒が開発されるといいのですが」というユニークな質問・発言には、会場から「そうだ、そうだ」と共感の声も。
サイエンスカフェ神戸の事務局として、開催をバックアップする神戸大学発達科学部教授の田中成典先生は、次のように語ってくださいました。「講演やシンポジウムと大きく異なるのは、参加者一人ひとりが主役になる“コミュニケーションの場”であることです。お茶やお酒を片手にリラックスした雰囲気のなか、科学について気ままに語り合うことで、新しいひとつの文化が形成されるのではないでしょうか」。

私たちが今日、豊かな食生活に恵まれ、おいしいお酒を飲めるのは、微生物の力を生かしてきた人類の知恵のおかげー。そんなことを考えた1日でした。
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今回、バイオカフェの会場となった神戸酒心館は、日本酒の醸造所や直売所、ギャラリー等を併設した文化施設です。酒心館ホールは、かつて酒蔵だった建物を多目的ホールとして修復したもので、伝統芸能、アート、カルチャーなど多彩なイベントに活用されています。ホームページ等で、気になるイベントをチェック!
阿波・美郷の梅まつり
但馬・香住のかに・海の幸市
2月18日(日) 午前10時〜午後4時
徳島・美郷の特産品や生松葉がに、カレイ、エビ、サザエつぼ焼などを販売。焼き椎茸、ゆず味噌、半田そうめんの試食会のほか、酒蔵見学や餅つき、しぼりたて新酒の試飲・販売コーナー、酒まんじゅうや酒屋鍋などの屋台も登場!
お問い合わせ
神戸酒心館 TEL 078-841-1121
URL: http://www.shushinkan.co.jp |
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| 大きな柱や梁が、酒蔵だった頃の様子を想像させます。 |
| 大きな紙芝居で発酵の歴史をわかりやすく解説。 |
福寿などの日本酒を楽しみながらリラックス。 |

日本酒が醸造された歴史や文化的背景を知るには、発酵の関連書を読むのがいちばんの近道。日本酒のみならず、醤油や味噌など、日本の食文化に欠かせない発酵食品の歴史をたどることができます。読めば読むほど、発酵の奥深さを思い知るかも?
『発酵 ミクロの巨人たちの神秘』
小泉武夫 著 中公新書
『発酵は力なり 食と人類の知恵』
小泉武夫 著 NHKライブラリー
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